泉ガーデンレジデンスを掲載

鉄筋コンクリート7階建て、土地が300坪、室数ワンルーム印室、2LDK3室、家賃収入が月に約500万円、駐車場収入を加えると計550万円、築年は平成2年、築後10年である。 この建物もバブルの遺品である。
このビルの持ち主も競落きれるまで家賃は自社の口座に入っているものである。 この物件は初め、平成7年に期間入札に入った価格は7億円であった。
この金額でも建物だけの価格であろう。 それでも今の時代、競落する人も企業もない。
そして、この物件は平成8年に4億円、平成9年に3億円、平成10年に2億4千万円、平成11年に1億8千万円、平成n年に1億2千万円で特別売却に入っている。 この次に出てくる時は1億円以下になっているだろう。

例えば登記料、その他諸費用を含めて2億円で取得したとしても、家賃収入が550万円(月)×nヵ月=6600万円であるため、4年分の家賃収入で2億6400万円となり、所得税、その他諸税経費を支払っても余力が出ることになる。 ここで少し頭を冷やしておこう。
こんなにもうかるのになぜ誰も手を出さないのか?なぜか?誰もが不思議に思うにその原因のいくつかに次のような事があるのではないか?@大企業(上場企業)は競売には手を出さない。 利益が出るのはわかっているが、リスクを心配してサラリーマンの事なかれ主義がじやまをするのであろう。
もっとも、こういうリスクのある仕事に手を出さなくても本業で充分利益は上がっているのであるから……。 A銀行等の融資が受けにくい。
私も何度か融資を受けた事があるが、賃借権とか空室の問題とかリスクの方を先に出し裁判所という特殊な場所や調書の専門用語の意味の難しさ。 書記官にいろいろ質問しても親切に説明をしてくれない。
めんどくさそう等が原因であろう。 Cバブルの崩壊でお金の出どころがなくなった以上のような理由と国家的な不況のため、競売市場もなかなか動かないのである。
この時代、少しお金が自由になる人や銀行に融通のきく会社等は目の前にお金が落ちているのである。 これを拾うのは誰か?て、担保価値は充分であるにもかかわらず、なかなか融資の対象としないのである。
B一般の業者や一般ユーザーは、いまだに競売は怖いというイメージをなくしていない。 この動産については一般に不動産と動産の区別がなかなか難しく、この場合その物件ごとに執行官に問い合わせ確認し、できればそれをなるべく文書で書記官や執行官に書いてもらう事。
5年間は、いわゆるバブルの時期で日本国中、1億総不動産屋といっても過言ではない時代であった。 これはこれより前、昭和年頃の田中内閣の列島改造ブームに次ぐものであろう。
この昭和岬年頃の時代にも確かにバブルはあった。 私の場合もこの時期のバブルに乗って、土地の売買でいくらかの利益は出た。
売りに出した土地はすぐに売れた。 銀行も土地を買うためなら、どんどんお金を貸した。

この当時、不動産業を営んでいた人達(私も含めて)は、持っているお金をすべて不動産につぎ込んだのである。 しかし、このバブルも3年〜4年しかもたなかった。
そのために不動産業者の7割くらいは大きな損害を受けて倒産したのである。 私の会社もその一つであった。
それでも今回のバブルとはずいぶん内容が違っていたし、ノンバンクがまだできていない時期であったためと、ゼネコンが今回のようにこの仕事に乗り出して来てはいなかったので、不動産業者と一部の投資家以外は大きな損害は出なかったのである。 それでも官や書記官は決して自分(買受人)の味方だとは思わないことである。
それなりに競売事件は多くなった。 この時代の競売は旧法であり、前にも述べた通り競売屋と裁判所の馴れ合いで競売が行なわれ、競売価格も落札者がおらず、流れる度に3%ずつ価格が下がっていった。
その間隔も3カ月くらいで下がっていくために、1年間流れると約4割弱の競売価格の値下がりとなり、2年くらい経つと最初の価格の3割くらいになってしまったのである。 こういう事情だから競売業者は新件にはあまり手を出さず、7〜8回流れた物件をセリ落したのである。
私が競売に手を出し始めたのはこの頃であった。 私もこの競売屋の1人になったのである。

旧法の競売は談合によるものがほとんどで、談合金として競売価格の3%を通称「談合屋」に支払えば、最低価格でセリ落とせたのである。 この事は裁判所も執行官も書記官も全部承知の上で行なわれた。
これはこの頃、競売に参加する人はほとんどなく、この競売屋がいなければまったく競売は売れなかったためである。 このため、裁判所も何もいえなかったのであろう。
これを改善するために新法(期間入札)が取り入れられたのである。 この新法が施行された頃と同じ頃、バブルが始まったのである。
昭和60年頃は、出された競売物件はよほど問題がある物件以外は全部売却でき、その価格も最低競落価格をはるかに上回る価格で競落されたのである。 中には最低競落価格の2倍くらいで競落された物件もかなりの数に昇った。
こういう事がなぜ起きるかというと、競売事件は時間がかかるのと価格を決定する鑑定士の頭がその時代より2年〜3年ずれているからである。 これはバブル後も同じで、この逆の発想が出てきて、現在はかなり値下がりしている物件が2年?3年前の価格で評価され、数%高い最低競売価格で競売に出されている物件がかなり見られるのである。
この事には充分注意して競売物件を買い受けるべきで、競売調書に付いている鑑定書をそのまま鵜呑みにしない事である。 しかし、競売物件は安くもうかる物件がかなりあるのも事実である。
数多くの競売物件を調べ、自分の希望に合った物件が出るまで待って買い受けても、待つだけの価値は充分あると思うのである。 バブルの時期は、銀行、ゼネコン、企業、個人……ほとんどの人がもうかった時代で、そのもうかったお金で不動産を買い、家を建て、家具を買い、マンションを買い、会員券を買った。
しかし、その代金はほとんど銀行等の借入金でまかなわれ、バブルがそのまま続けば支払い可能なローンであった。 この時期に建築された建物はかなり高級な建物で、これに合わせた庭、門ぺイ、車庫等も同様の高級な造りである。
しかしバブルがはじけ、これらのローン等が支払えず競売に出て来たのである。 これらのうちの半分くらいはサラリーマンである。
個人事業者、または中小企業の社長宅で、建築した当時は1億円以上したものが、競売では3分の1くらいで出てくるのである。 例えば千葉市緑区にある千葉リーヒルズと呼ばれた、分譲価格n億円前後の土地付建物(土地3000u、建物350u)プール付きの物件。
当初4億円くらいで競売に出されていたが、3回ほど流れた現在、8900万円で特別売却になっている。 旧分の1でも買い手がないのである。

今後もっと下がって、5000万円くらいなら競落できるかもしれない。 しかしこの物件は買い受ける事はできたとしても、一般の人では毎月の管理費、毎年の税金が高すぎて、普通のサラリーマンの月収がそのまま維持費としてかかってしまう。
このため、住居としては不適といわざるを得ない。 プールがあっても水道代が高くて使えないのである。
この原因には固定資産税の評価が高いせいもある。


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